導入事例

ワークフロー:Chesapeake Bay Maritime Museum、歴史を保存し、より多くの人が利用できる形へ

大判スキャンのワークフロー

Chesapeake Bay Maritime Museum logo

Chesapeake Bay Maritime Museum(CBMM)では、歴史資料の保存は単なる作業ではなく、未来の世代へ受け継ぐための大切な取り組みです。

CBMMでは、非接触型スキャナ HD Apeiron/42を活用し、「歴史資料の保存」と「より多くの人が利用できる環境づくり」という2つの目的を両立するため、綿密なスキャンワークフローを構築しています。

そのプロセスを詳しく見ていきましょう。

Workflow case study with Chesapeake Bay Maritime Museum and HD Apeiron/42

動画で見る導入事例

Gabriellaが、博物館で行われているスキャン作業の一連のワークフローについて詳しくご紹介します。

CBMMのワークフロー

CBMMの資料保存ワークフローは、細部まで丁寧に考えられています。すべての工程において、原資料を適切に保存することと、研究や修復に活用しやすい状態にすることの両方を重視しています。

1. 丁寧な準備

歴史資料は傷みやすいものも多いため、保管場所から慎重に取り出します。取り扱い時の損傷を防ぐため、無酸性フォームボードの上に資料を載せ、スキャンエリアまで運んでスキャナテーブルにセットします。アーカイブ内で強く巻かれていた資料など、平らな状態にできない場合は、厚さ1/8インチ(2.4 mm)の大型透明アクリル板を上に載せます。

2. 原資料のスキャン

各資料はそのままの状態で高解像度スキャンし、傷や破れ、端部など、細部まで記録します。この工程では、現在の資料の状態を忠実に記録した保存用データを作成します。

3. 利用しやすいデータの作成

専用のNextimage Apeironソフトウェアを使用し、スキャンしたデータを編集して、共有や印刷に適したバージョンを作成します。Line Fill、Enhanced Black、Despeckleなどの機能を使用することで、薄く残った鉛筆の線なども、より鮮明に確認できるようになります。

このデータは、印刷、研究、修復作業など、さまざまな用途で利用しやすいよう最適化されています。

Case story, Chesapeake Bay Maritime Museum

背景

CBMMについて詳しくは、以前の導入事例 「博物館の夢:貴重な資料を未来へ残す」 もぜひご覧ください。

導入事例

なぜ2種類のデジタルデータを作成するのか?

CBMMでは、それぞれ異なる目的に合わせて、各資料から2種類のデジタルデータを作成しています。

保存用データ

資料の元の状態を将来にわたって保存するため、編集を加えず、高品質な画像データとして保管します。

利用用データ

共有しやすい低解像度のデータで、さまざまな用途で利用しやすいよう調整されています。特に、船舶の修復業者や模型製作者など、作業現場で詳細な図面を必要とする外部からの依頼に活用されています。

Preservering historical documents

「ソフトウェアとスキャン機能を活用することで、コントラストが低く見づらい資料でも、コントラストの高い鮮明な画像へと大幅に改善できます。」

Gabriella Cantelmo
アシスタントキュレーター
Chesapeake Bay Maritime Museum

Heritage preservation expert Gabriella Cantelmo, curator at CBMM

なぜ重要なのか

この丁寧なプロセスは、CBMMのコレクションを長期にわたって保存するだけでなく、より多くの人が資料を利用できるようにすることにもつながっています。高解像度の保存用データと、実際の利用に適した使いやすいデータの両方を作成することで、CBMMは貴重なアーカイブ資料に新たな価値を与え、一般利用から専門的な用途まで幅広く活用できるようにしています。

CBMMのアシスタントキュレーター、Gabriella Cantelmoは、こうしたデジタル化された資料を利用するために、**「3年間待っていた人もいます」**と話しています。このことからも、このワークフローが利用者にとって大きな価値を持っていることが分かります。

このような綿密な取り組みを通じて、CBMMは歴史を未来へ受け継ぐとともに、その新たな活用への道を切り開いています。

Chesapeake Bay Maritime Museumが、資料そのものの寿命を超えて歴史を保存していく取り組みについては、こちらの導入事例でも詳しくご紹介しています。

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